世界経済、2年で損失1300兆円
国際通貨基金が改定した世界経済見通しでは、2020年の成長率をマイナス4.9%と予測し、4月時点から1.9ポイントさらに下方修正し、新型コロナウイルスで先進国と新興国がそろって景気後退に陥り、経済損失は2年間で12.5兆ドル(約1300兆円)と試算しました。
世界経済は大封鎖に陥っており、大恐慌以来で最悪の景気後退だとし、感染第2波を避けることができれば、21年は5.4%のプラス成長に回復するとみていますが、同年の予測も4月時点から0.4ポイント下方修正しています。
1月時点では20年の成長率をプラス3.3%、21年も3.4%と予測していたのですが、コロナウイルスの長引く影響により移動制限などによって21年の世界のGDPは、当初予想に比べ6%強も小さくなり、20~21年の損失規模は1300兆円強に達すると試算しています。
20年の先進国経済は歴史的な落ち込みとなり、感染者数が比較的少ない日本も20年の成長率はマイナス5.8%と予測され、リーマン・ショック後の09年(同5.4%)を超す景気悪化で、アメリカは8.0%減と、第2次世界大戦の特需が消えた1946年(11.6%減)以来、74年ぶりの大幅なマイナス成長となります。
イギリスのGDPは前年比10.2%減と予測し、イングランド銀行(英中銀)のデータと比較すると、大寒波があった1709年(13.4%減)以来、311年ぶりという記録的なマイナス成長で、フランスにおいても12.5%減と、統計がある1950年以降で最も厳しい落ち込みとなりそうです。
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